先日「21-21DESIGN SIGHT」で開催されている『雑貨展』を見てきました。
私たちがプロデュースしているブランド【essence(エッセンス)】は、水周りのアイテムやインテリアなどに関する建築意匠部品のブランドですが、
始まりは、同じく私たちがプロデュースしている生活雑貨のブランド【MEISTER HAND(マイスターハンド)】の中のアイテムでした。スイッチプレートや水栓のハンドル、アメニティグッズなど、無味無機質なコーナーに色やテーマを与え、暮らし心地を豊かにする“遊び心”をご提案するもののひとつとして。
“雑貨”そのものは、その昔から暮らしの中に何気なく必然的に存在していたはずですが、「かわいい」とか「かっこいい」とか愛着を覚える「すてきな存在」としてブームになった頃、提案紹介される様々なテイストに憧れワクワクし、想像力も豊かに広がっていたように思います。
“雑貨”の“雑(ザツ)”は「粗い」とか「いいかげん」というような使われ方もあり、「雑貨=いいかげんなもの」と捉えられてしまう場合がありますが、本来の意味は「雑貨=いろいろ入り混じったもの」。例えば「雑木林」「雑穀」「雑煮」「雑学」「雑務」etc…雑のなかの一つ一つはそれぞれ、持っている効果や役割があり、その特徴から「○○用」としてピックアップされ活用されたりします。時代背景や係わる側の解釈によって、特化したり影を潜めたり、別の役割が付加されたり違う役割に転換されたりすることもあります。
取り入れ方はそれぞれ多様であっても、愛着を覚え、暮らしの心地を豊かにしてくれる存在であってほしいと願います。
『雑貨展』は“雑貨”の存在についてわかりやすく提示。端的な感情のみではなく、大系的に解説紹介されていて、ファストフード・ファストファッション、新品礼賛・均一賞賛も盛んな昨今でも、
確実に、“雑貨”やそのデザインに、純粋な愛着を抱き誠実に取組む存在は健在だということを、再認識させてくれます。

【21_21 DESIGN SIGHT企画展「雑貨展」】より



